2007 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス感染を利用した高次脳機能障害の分子機序の解明
Project/Area Number |
07J07682
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
本田 知之 Osaka University, 微生物病研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | ボルナ病ウイルス / 精神疾患 / グリア細胞 |
Research Abstract |
精神疾患は躁鬱病や統合失調症などに代表される高次脳機能障害である。多くの精神疾患では、その発症機序として「脆弱性-ストレス」モデルが提唱されている。私どもの研究室では、脆弱性もしくはストレスによる高次脳機能障害の要因としてボルナ病ウイルス(BDV)を報告してきた。BDVは、中枢神経系に持続感染するRNAウイルスである。BDVを感染させたラットは、自閉症様の行動異常を示すことが知られている。本研究では、BDV感染がどのように脳高次機能障害の脆弱性に関与するかを明らかにすることで、精神疾患の発症脆弱性の分子機序の解明を明らかにすることを目的とする。本年度の研究において、BDV感染による高次脳機能障害について以下の結果を得た。 1. BDVの病原性に重要な働きをすると考えられるリン酸化タンパク質Pを発現するトランスジェニックマウスの組織学的な解析をした。その結果、小脳に自閉症様の神経脱落を認めた。この結果により、このトランスジェニックマウスは自閉症の小脳病変のモデル動物であることを示した。 2. 小脳の培養により、Pを発現させたグリア細胞では、神経生存に関わる機能が障害されている可能性を示した。 3. 神経細胞特異的にPを発現するトランスジェニックマウス作製のため、トランスジーンを作製した。 4. P結合タンパク質として、マウス脳由来の遺伝子ライブラリーよりscaffold attachment factor B2を同定した。 5. BDVレセプターを同定するため、BDVの膜タンパク質GとヒトIgGとのキメラタンパクを作製した。このキメラタンパク質と結合するタンパク質を複数分離した。現在質量分析で解析中である。
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Research Products
(4 results)