2007 Fiscal Year Annual Research Report
化学気相析出法を用いたチタン酸カルシウム及びリン酸カルシウム被覆とその生体適合性
Project/Area Number |
07J07689
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 充孝 Tohoku University, 金属材料研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 有機金属化学気相析出法 / ハイドロキシアパタイト / α-リン酸三カルシウム / 表面形態 / 骨伝導能 |
Research Abstract |
有機金属化学気相析出(MOCVD)法を用いCa(dpm)_2および(C_6H_5O)_3PO有機金属錯体により、リン酸カルシウム系膜を合成し、XRDによる相同定、SEMによる微細組織の観察および成膜速度の測定、擬似体液中への浸漬実験により、リン酸カルシウム膜上へのアパタイト形成の様子を調べた。 基板温度(T_<sub>),反応室圧力(P_<tot>)およびCaとPの原料モル比(R_<Ca/P>)の変化により,生成した結晶相は変化し、得られた膜の微細組織は、いずれの膜も表面は粒径が1μm程度の粒状結晶であり、断面は緻密な構造であった。成膜速度はP_<tot>=0.8kPa、T_<sub>=1073Kの時最大の6.0nm/s(20μm/h)であり、スパッタリング法を用いた場合の40倍の成膜速度が得られた。擬似体液中への浸漬実験では、HAp膜は浸漬前はなめらかな表面構造を有し、緻密な構造であった。浸漬1時間後に膜の窪みでアパタイトが新たに生成した。浸漬6時間後では、試料の表面全体は針状のアパタイトで覆われ、浸漬12時間後では、新たに形成したアパタイトの微細組織は針状から網目状へと構造が変化した。本研究において、MOCVD法により合成されたHAp膜はアパタイト形成速度が最も速かった。また、MOCVD法により合成したカリフラワー状の表面組織を有するチタン酸カルシウム膜も比較的アパタイト形成速度が速く、擬似体液中におけるアパタイト形成には、膜の骨伝導能の他に、膜の表面構造が重要であることが明らかとなった。
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Research Products
(9 results)