2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリックスループヘリックス因子によるB細胞分化制御機構の解析
Project/Area Number |
07J07727
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
南部 由希子 Kyoto University, 医学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | B細胞 / Id2 / 抗体産生反応 |
Research Abstract |
申請者らはId2遺伝子欠損マウスにおいて、B細胞活性化異常に起因すると思われる免疫反応の障害を見いだしている。種々抗原刺激に対する免疫応答時に見られる抗体産生反応に異常を認めることから、B細胞活性化に伴う形質細胞分化や記憶B細胞分化に、Id2が関与していることが考えられる。 一方、記憶B細胞は、その機能を持つ細胞集団の一部が明らかになって来ているに過ぎず、記憶B細胞としての機能を持つ可能性のある、他の細胞集団を見いだすことと平行して、その細胞集団分化におけるId2の役割を解析する必要がある。 まず、野生型とId2遺伝子欠損マウスからnaive B細胞の精製し、cDNAマイクロアレイを用いて遺伝子発現プロファイルのスクリーニングを行った。その結果、Id2欠損により発現量に変化の見られる遺伝子を同定した。 B細胞活性化にはB細胞受容体からのシグナルが重要である。そのため、前年度に引き続き、野生型およびId2遺伝子欠損マウスからnaiveB細胞を精製し、in vitroにて分化誘導を行い計時的にシグナリング分子のタンパク量の定量を行った。同様に分化誘導を行ったB細胞を用いて、計時的にシグナリング分子のリン酸化及び、脱リン酸化状態の解析を行った。その結果、一部のシグナリング分子のタンパク量及び、リン酸化状態に有為な差を発見した。Naive B細胞の遺伝子発現プロファイルと合わせて、メカニズムを解明していく予定である。 野生型Id2及び、各種ドメイン欠損型Id2を過剰発現させることが可能なtetracycline依存的発現型細胞株の樹立を成熟B細胞株A20で行った。前年度、Id2と相互作用する因子を検索するための、免疫沈降法の系のセットアップを行っており、その系を用いて幾つかの候補タンパク質の検索を行った。
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Research Products
(1 results)