2008 Fiscal Year Annual Research Report
体節の空間的周期性を生み出すメカニズムに関する研究
Project/Area Number |
07J07728
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石松 愛 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 体節 / 振動 / 移動波 |
Research Abstract |
今年度は、体節形成に利用される振動子集団における秩序の出現に焦点を当てた研究を行い、いくつかの重要な結果を得ることに成功した。 その成果は、日本発生生物学会、リズム現象研究会で発表した。 脊椎骨等の分節性の基礎となる節状の組織(体節)は、数千の細胞の集まりである円柱状の組織(presomitic mesoderm;PSM)に、一定時間おきに一定間隔で切れ目が入ることで形成される。このとき、切れ目を入れる遺伝子発現部位が、徐々に切れ目が入る位置に向かって進行する(移動波)、というものある。この空間振動パターンは、個々の細胞でのhairy遺伝子のON/OFFのタイミングが、集団として秩序をもった結果生じるものである。 今年度は特に移動波の形成メカニズムに注目して研究を行い、重要な結果を得ることができた。すなわち、ある因子によって移動波が形成されるということを発見し、その因子を人為的に与えれば、異所的な移動波を実験的に発生させることに成功したのである。また、この因子がhairy遺伝子の制御ネーットワークにどのように作用するかも、実験と数理解析から明らかにしつつある。
|
Research Products
(1 results)