2007 Fiscal Year Annual Research Report
単語の処理における無意識的処理過程と意識的処理過程の神経基盤の解明
Project/Area Number |
07J07747
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
松本 敦 National Institute for Physiological Sciences, 大脳皮質機能研究系, 特別研究員(PD)
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Keywords | 無意識 / 注意 / fMRI / 単語 |
Research Abstract |
本年度の研究の目的は無意識的な単語の処理に対する注意の影響を調べることであった.これまでの研究では無意識的な処理は意識的な処理とは別のものであり,注意や課題要求などの意識的な処理は無意識的な処理に対して影響を及ぼさないとされていた.本実験では無意識的な単語の処理時に注意喚起刺激によって注意を喚起する条件とそうでない条件を用意し,それぞれの処理時における脳活動をfMRIを用いて検討した.被験者はマスクされた単語を視覚的に呈示されるが,刺激が呈示される直前に警告刺激が呈示される条件と呈示されない条件を用意して実験を行った.その結果,無意識的な単語の処理時には左半球の紡錘状回,上側頭回,補足運動野などの活動がみられることが判明した.これらの活動は,注意喚起刺激によって注意を喚起した際には観察されたが,注意を喚起しなかった条件では観察されなかった.これらの結果から,注意が単語の無意識的な処理に影響を与えていることが示され,その影響は紡錘状回や上側頭回などに見られることがわかった. また,脳の領域間の情報の流れを検討するためにdynamic causal modelingによるeffective connectivity解析を行ったところ,注意喚起条件では左半球の上側頭回に対して左半球の下前頭回から活動のmodulationがあることが明らかとなった.このことから,注意を喚起することにより,下前頭回から側頭葉に対した何らかの情報の伝達があり,その領域が活動しやすいように活動が調節されると考えられる.
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Research Products
(1 results)