2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J07758
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小倉 知士 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 感光性ポリベンゾオキサゾール / ポリ(ο-ヒドロキシアミド) / 活性エステル / エステル化合成 / スカンジウムトリフラート / 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール / 2-メルカプトベンゾチアゾール |
Research Abstract |
活性部位がより酸性度の高いフェノール類を用いた活性エステルの合成をするために、カルボン酸と反応させるフェノール類を酸性度の高い1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を用いた。 まず、安息香酸とHOBtからモデル反応を行った。従来の方法である、反応物を溶解しない溶媒と酸触媒からなる、二相系フィッシャーのエステル化合成を行った。酸触媒として強力なルイス酸であるスカンジウムトリフラート(Sc(OTf)_3)を用いて、溶媒としてヘプタン(沸点98℃)、オクタン(沸点127℃)、ノナン(沸点151℃)を用いた。ディーンスタークを用いて脱水し12時間反応させた後、重曹水に再沈殿したところ、ヘプタンを用いた場合は^1HNMRより極少量のHOBtが回収された。また、オクタン、ノナンで反応させた場合は黒いタール状のものが得られ、化合物を同定することができなかった。おそらく反応温度が高温のためにトリアジン環が分解していると考えられる。 そこで、HOBtと同様に酸性度の高い複素環化合物を選択し活性エステルの合成を検討した。複素環化合物は市販の化合物である2-メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、2-メルカプトベンゾオキサゾール(MBO)、2-ヒドロキシベンゾチアゾール(HBT)を用いた。 まず、安息香酸クロリドとこれらの化合物から、活性エステルのモデル化合物を合成し、TGAより熱分解温度を測定した。その結果、MBTを用いたモデル化合物の1%重量減少温度が185℃であり、予定する反応温度より高く、MBTが活性部位として適切であることが分かった。 従来の方法を用い、酸触媒としてSc(OTf)_3を用いた。溶媒としてオクタン、ノナンを用いた。重曹水に再沈殿したところ、^1HNMR及びIRより原料であるMBTが回収されていると考えられる。 MBTの融点が高く、原料が溶融状態で反応していないために反応性が下がっていると考えられる。
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