2007 Fiscal Year Annual Research Report
環境調和型有機変換反応を指向する機能性ブレンステッド塩基触媒の創製
Project/Area Number |
07J07809
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宇部 仁士 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 有機触媒 / 不斉触媒 / 直接的合成 / グアニジン / ブテノリド / 塩基触媒 / ビニロガス |
Research Abstract |
基質中の構成元素すべてを目的化合物へと変換する直接的合成は、原子効率(Atom economy)に優れた環境調和型反応として注目を集めている。本年度は軸不斉グアニジン塩基を触媒とする直接的不斉炭素-炭素結合生成反応に焦点を当て研究を行った。開発した軸不斉グアニジン触媒はその強塩基性に由来する活性の高さが特筆に値する。この強塩基性により多くのプロ求核剤の活性化が可能であると期待される。実際に活性化するプロ求核剤としてはフラノン類に着目し、アルデヒドを求電子剤とする直接的ビニロガスアルドール反応の不斉触媒化を検討した。本反応の生成物であるブテノリド類は、多くの生理活性物質中に見られる構造単位であり、簡便な合成法が強く望まれている。これまでにシロキシフランを求核剤とする向山ビニロガス反応は不斉触媒化が多数報告されているものの、フラノン自体をプロ求核剤とする直接的付加反応の不斉触媒化はいまだ報告例が無い。触媒として強塩基性を有する軸不斉グアニジン塩基を用いる事によりフラノン類の効果的な活性化が可能になると考えた。 検討の結果、3,4-ジハロフラノンを求核剤とするビニロガスアルドール反応が、触媒量の軸不斉グアニジン塩基により進行し、γ-(ヒドロキシアルキル)ブテノリドを高エナンチオ選択的に得ることに成功した。また軸不斉グアニジン塩基に導入する置換基を適宜選択することにより、生成物のジアステレオ選択性の制御が可能となることを見出した。
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Research Products
(5 results)