2008 Fiscal Year Annual Research Report
幾何的、組合せ的制約を有する三角形分割、静定グラフの生成手法の開発建築への応用
Project/Area Number |
07J07910
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷川 眞一 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 計算幾何学 / 列挙アルゴリズム / 静定グラフ / 剛板ヒンジ構造 / Molecular Conjecture / 分子構造 |
Research Abstract |
研究計画で掲げた三角形分割,静定グラフの生成問題の内,無交差静定グラフの列挙問題に取り組み,一定の成果を得た.また辺制約付き辞書付き順序最大三角形分割という概念を拡張させ,無交差静定グラフのみに限らず任意の無交差幾何グラフクラスに属するグラフを高速に列挙を行う手法を確立した.既存の無交差幾何グラフの列挙アルゴリズムは各グラフクラスの性質に大きく依存していたため,他の問題に同じ手法を適用することができなかった.しかし我々は辺制約付き三角形分割の組合せ的性質を巧く利用することで,列挙対象となるグラフクラスの性質に依存しない一般的なアルゴリズム設計の枠組みの確立に成功した.この成果を計算幾何学で一流の会議であるACM Symposium on Computational Geometryにおいて発表を行った.2次元空間内のトラス構造に対しては,その剛性と等価なグラフ理論的特徴付けがMaxwell-Lamanによってなされている.このグラフ理論的特徴付けを満たすグラフが静定グラフである.しかし,Maxwell-Lamanの定理は,2次元空間に限定されており,さらに外部拘束(構造物と外部環境間の接続数)が3つの場合のみに限定されている.我々はMaxwell-Lamanの定理を外部拘束数が任意の個数である場合に拡張し,より実践的な場合を含む形へ定理を一般化することに成功した.この成果と上述の列挙アルゴリズムの枠組みを組み合わせることで,外部拘束数が任意である場合においても高速に静定トラス構造や自由度を有するリンク機構のトポロジー生成が可能である事がわかった.また3次元静定グラフ生成への発展のため,トラス構造のみならず3次元剛板ヒンジ構造など剛性の組合せ的解析にも取り組み,一定の成果を得た.
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Research Products
(13 results)