2008 Fiscal Year Annual Research Report
自然の循環系に影響を受けて醸成された産業文化から得る地域社会のサステナビリティ
Project/Area Number |
07J07923
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
白井 裕子 Waseda University, 理工学術院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 木材地場産業 / 木造建築 / 伝統構法 / 森林資源 / 公共財 / 河川流域 / 社会基盤 / フランス |
Research Abstract |
木材地場産業の中でも、特に地域文化と結びつきが高い木造住宅建築における木材需要を、建築大工技能士から調査した。また建築大工技能士が木造建築の基本として捉えている事、技能に対する考え、木造建築に関する建築基準法諸規則についてどのような意識、意見を共通して有しているか、また木造住宅の現場施工で矛盾が生じている、問題があると感じている事は何かについて、そして木造住宅の耐用年数や施工費についても調査をまとめ、学会で発表した。 森林を扱う林業のように、公共性が強い産業分野の特徴、当該分野における技術開発の特徴、課題などについて研究成果をまとめ、現在学会で審査中である。 フランスで現地調査を行った。上水道、下水道、河川など水に関する公共サービス、社会基盤整備の手法についてインタビュー調査ならびに資料収集を行った。産官学を対象に調査を行った。産としては企業連盟、官として環境省など、学としてはパリ大学などを対象とした。日本では公共サービスとして行われる業務をフランスでは民間企業も行っている。その歴史的経緯や実態、長所や課題などを把握することができた。また河川流域毎に汚染者負担を課した経緯、現状や展望などを把捉することができた。公共財の社会制度はその設計次第で、公的負担が増し、産業の振興や地域の自律的発展を削ぐ可能性がある。しかしフランスでは、行政と民間が役割を分担しながら、適正な状態を維持しようとしている事が分かった。
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Research Products
(2 results)