2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J07952
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
角田 哲也 The University of Tokyo, 大学院・学際情報学府, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 複合現実感 / 拡張現実感 / 光学的整合性 / 影付け / ソフトシャドウ / デジタルコンテンツ / 主観評価 |
Research Abstract |
まず複合現実感システムにおける光学的整合性を実現するために、影付け平面を用いた仮想物体の陰影表現手法を開発した.これによって実光源環境に対応した仮想物体のソフトシャドウを実時間で表現することが可能になり、合成画像の現実感を向上させることが可能になった.次に飛鳥京の復元CGモデルを製作した.特に6世紀後半の伝飛鳥板蓋宮III-B期、飛鳥浄御原宮と酒船石遺跡付近の詳細なCGモデルを作成した.さらに、多人数で同時に合成画像を鑑賞できる、新しいMRディスプレイ装置の試作を行った.特に大型の液晶モニタを用いた「三脚型」、小型の液晶モニタを用いた「ハンドヘルド型」、タブレットPCを用いた「タブレット型」の3種類のディスプレイ装置の試作を行った.これらの研究成果を踏まえ、平成19年11月23〜25日に奈良県明日香村現地でMRシステムの一般公開実験を行った.一般の観光客等を対象に飛鳥京MRコンテンツの教育効果を評価するための評価実験を行った結果、コンテンツは復元対象の空間的把握やMR技術への理解を高める上で有意な教育効果を持つことがわかった.また、コンテンツからユーザが受ける主観的な印象の調査を行い、評価に関する心理因子を抽出した結果、ユーザは合成画像における仮想物体の現実感や風景との調和を表す「現実感」、画像の魅力や迫力を表す「鮮烈さ」、おもしろさやインタラクティブ性に関わる「娯楽性」、の3つの因子によってコンテンツを評価していることがわかった.コンテンツに陰影を付加した場合はいずれの因子においても評価の向上が見られ、本研究で提案する陰影表現手法の有効性を確認することができた.
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Research Products
(4 results)