2008 Fiscal Year Annual Research Report
PGR5依存の光化学系Iサイクリック電子伝達経路の解明
Project/Area Number |
07J08015
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
桶川 友季 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 光化学系I / サイクリック電子伝達 / PGR5 |
Research Abstract |
PGR5依存の経路に必須な遺伝子として、これまでのところPGR5とPGRL1が単離されている。しかし、これらのタンパク質は電子伝達に必須な金属結合モチーフを持たないことから、電子伝達経路において直接的なキャリアとして働くとは考えられない。そこで私は、この経路に必須な他の因子を単離することを目的に研究を行っている。研究2年度目はこの経路の特異的な阻害剤として「アンチマイシンA」に注目して実験を行った。アンチマイシンAはミトコンドリアの呼吸鎖阻害剤としても知られている。このことから歴史的に、アンチマイシンAはシトクロムb6f複合体に結合すると誤って認識され、その作用機構についての研究は遅れてきた。長い間不明であったPGR5依存のサイクリック電子伝達を明らかにするには、PGR5タンパク質の機能を明らかにするとともに、アンチマイシンAが結合するタンパク質を同定することが重要である。アンチマイシンAはこの経路の特異的な阻害剤ではあるが、構造的な問題により修飾をすることが難しい。そこで、アンチマイシンAの類似体を用いて阻害剤のスクリーニングを行い、新規の阻害剤を単離することを試みた。結果として得られた阻害剤から新たな経路必須因子の単離を目指す。これまでに48の類似体のスクリーニングを済ませており、阻害剤候補がいくつか得られている。得られた候補阻害剤を分類してみると大きく二つに分けられることがわかった。ひとつは呼吸鎖電子伝達も阻害する類似体、もう一つはPGR5依存の経路だけを特異的に阻害するアナログである。このことから、PGR5依存の経路には二つの異なる阻害部位があることが示唆された。以上のことから研究2年度目の研究目的であった「PGR5と相互作用するタンパク質の単離」につながる結果が十分に得られたと言える。研究結果については8月に京都で行われた第4回若手の会においても発表を行った。
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Research Products
(5 results)