2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J08019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村本 裕紀子 The University of Tokyo, 医科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | インフルエンザウイルス / ゲノムパッケージング / アセンブリ |
Research Abstract |
インフルエンザウイルスの最大の特徴は、ウイルスゲノムが8本のRNA分節にわかれていることである。しかし、「8本にわかたゲノムRNAをどのようなメカニズムでウイルス粒子内に取り込むのか?」というゲノムパッケージング機構の謎はほとんど明らかにされていなかった。これまでに、インフルエンザウイルス粒子にゲノムRNAが取り込まれる際に、8種類の遺伝子分節間にパッケージングシグナルを介したなんらかの相互作用が存在することが示唆された。さらに、これまでに発生したヒトインフルェンザウイルスと鳥インフルエンザウイルスのリアソータントウイルスの遺伝子を調べた結果から、ゲノム分節間には相性の良し悪しがあることがわかっている。つまり、パッケージングシグナルが遺伝子分節間の相性の良し悪しに関与していると予想される。そこで本研究では、遺伝子分節間の相性の良し悪しを指標として、どの遺伝子分節同士が強く相互作用しているのかを明らかにすることを目的としている。 そこで、ヒトインフルエンザウイルス由来もしくは鳥インフルエンザウイルス由来のパッケージングシグナルをRNA分節の両末端に持ち、その内側には実験室株の全翻訳領域を持った変異分節を遺伝子としてもつウイルスをそれぞれ作製し、それらウイルスのリアソータントウイルスを作らせ、ウイルス粒子に取り込まれやすい、つまり相互作用する遺伝子分節を同定するための実験を遂行している。これまでに、ヒトウイルス由来変異分節および鳥ウイルス由来変異分節を発現するプラスミドをそれそれ8分節分、合計16分節分構築した。それらプラスミドをそれぞれ細胞にトランスフェクションし、インフルエンザウイルスの遺伝子RNAが合成されるのを確認した。今後はこれらのプラスミドからウイルスをレスキューする計画である。
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