2007 Fiscal Year Annual Research Report
アルキニルおよびアルケニルボスフィンを出発物質とする新配位子群の創製とその利用
Project/Area Number |
07J08066
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
近藤 梓 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 1-アルキニルボスフィン / [2+2+2]環化付加反応 / ロジウム / 嵩高い配位子 |
Research Abstract |
1-アルキニルホスフィン誘導体を用いた新規ホスフィンの合成を目的として以下の二つのテーマについて研究を行った。 1.ロジウム触媒を用いた1-アルキニルホスフィンスルフィドと1,6-ジインとの形式的[2+2+2]環化付加反応 近年、リン原子周りが嵩高い有機ホスフィンが遷移金属触媒反応における有用な配位子として注目を集めている。そこで、1-アルキニルホスフィン誘導体と1,6-ジインの形式的な[2+2+2]環化付加反応が進行すれば新たな嵩高いホスフィン類の合成法になると考え研究に着手した。その結果、カチオン性ロジウム触媒を用いることにより1-アルキニルホスフィンスルフィドと1,6-ジインの形式的な[2+2+2]環化付加反応が進行し、リン原子のオルト位に置換基を有する嵩高いアリールホスフィンスルフィドが得られることを見いだした。この反応で得られるアリールホスフィンスルフィドはトリス(トリメチルシリル)シランを用いたラジカル還元反応により容易に3価のホスフィンに還元できる。この手法により合成される嵩高いアリールホスフィンは他の方法では合成が困難であり、新たな嵩高い配位子としての利用が期待される。 2.ロジウム触媒を用いた1-アルキニルホスフィンと水との反応 1-アルキニルホスフィンを基質として用いた新規合成反応の開発を目的として検討を行っていたところ、ジオキサン/水混合溶媒中、1-アルキニルホスフィンに対してロジウム触媒を作用させ加熱還流すると、1-アルキニルホスフィンと水が反応し、E体の1-アルケニルホスフィンオキシドが得られることが明らかとなった。この反応では炭素-リン結合の開裂という現象が起こっており興味深い。
|
Research Products
(4 results)