2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J08072
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
井上 宏隆 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 骨基質タンパク質 / 石灰化 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 骨細胞 / ハイドロキシアパタイト / 骨リモデリング |
Research Abstract |
骨はI型コラーゲンを主体とする有機基質にリン酸カルシウムの一種であるハイドロキシアパタイトが沈着することによって石灰化している。有機基質がハイドロキシアパタイトの結晶化および結晶成長の制御に重要であると考えられているが、どのような因子が関与しているかも含めて、その分子機構については未だに不明な点が多い。骨の石灰化の分子機構の解明を目的として、今回、骨形成を制御する因子、特にリン酸カルシウムの結晶形成を誘導する因子を探索するためのin vitroでの検定系を確立した。マウスの大腿骨および脛骨を脱灰後、可溶性および不溶性画分から基質タンパク質を抽出した。得られたタンパク質をSDS-PAGEにて分離した後、ゲルをリン酸バッファーおよびカルシウムバッファー中でインキュベートすることにより、ゲル中でリン酸カルシウムを形成させた。リン酸カルシウムの結晶形成を誘導する因子が存在する位置には結晶化したリン酸カルシウムがバンドとして沈着した。バンドを切り出し、ゲル内消化およびpeptide mass fingerprinting解析を行った結果、複数のバンドについてタンパク質を同定することができた。その中には、以前にin vitroでのリン酸カルシウム結晶形成誘導活性が報告されているbone sialoproteinが含まれていたことから、今回確立した検定系はリン酸カルシウムの結晶形成を誘導する因子の探索には非常に有効であると考えられる。現在、検定系を用いたリン酸カルシウム結晶形成誘導因子の同定および同定されたタンパク質について機能解析を行っている。
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