2007 Fiscal Year Annual Research Report
固定/モバイルネットワークの多様性を考慮したストリーミング配信システムの構築
Project/Area Number |
07J08097
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橿渕 健一 Tohoku University, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | インターネット / ストリーミング配信 / 無線LAN / TCP / 公平性 / クロスレイヤアプローチ |
Research Abstract |
有線ネットワーク・モバイルネットワークを問わず、インターネットを介してマルチメディアコンテンツをリアルタイムでストリーミング配信するサービスへの需要が高まると予想される。そのような場合、QoS(サービス品質)制御、とりわけトラフィックの優先度に応じた制御やユーザ間の公平性が重要になってくると考えられる。そこで、本年度では、近年急速に普及が進んでいる無線LAN(IEEE802.11)に注目し、端末がTCP通信を行う際に無線チャネル使用期間がユーザ間で不公平になる状況が存在するという問題に対して検討を行った。本研究では、全端末が同一無線LAN内の各端末の無線チャネル使用期間をMAC層において観測可能であることに着目し、その観測情報に基づく新たなTCPレート制御アルゴリズムを提案した。すなわち、本手法はクロスレイヤアプローチの一種である。提案手法では、各端末の無線チャネル使用状況に基づき、ユーザ間の公平性や無線チャネル利用効率を考慮しつつ、各端末が無線チャネルを利用可能な割合を推定する。そして、その場合にTCPが達成可能な最大スループットを予測し、TCPの送信レートを適切に設定する。シミュレーションにより提案手法の性能評価を行った結果、標準的な無線LANおよびTCPを使用する場合に比べ、各端末の無線チャネル利用期間が公平になることを確認した。加えて、TCPにおけるスループットの向上およびパケットドロップの抑制が可能であることも示した。なお、本研究の成果については国際学会において発表した。さらに、提案アルゴリズムの改良版を次年度開催予定の国際学会に投稿中である。
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Research Products
(1 results)