2007 Fiscal Year Annual Research Report
14-3-3タンパク質に対するフォワード/リバースケモゲノミクス
Project/Area Number |
07J08110
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 崇嗣 Osaka University, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ジテルペン配糖体 / コチレニン / 抗がん活性 / フシコクシン / 構造活性相関 / DR5 / 14-3-3タンパク質 / 細胞内シグナル伝達 |
Research Abstract |
フシコクシン型ジテルペン配糖体であるコチレニン(CN)は、白血病細胞HL-60に対する分化誘導活性や、interferona(IFNa)との併用投与による種々の固形癌に対する癌細胞増殖抑制効果を示すことが知られていた。CNはこのように優れた抗がん効果を示すが、現在は生産菌の死滅によって入手困難な状況下にあり、CNの代替化合物の創製が急務となっている。かねてより我々は入手容易であり、CNと構造の酷似したフシコクシン(FC)に着目し、CNとFCの構造活性相関研究を通してCN様の活性を有するFC誘導体を見出すべく研究を行なってきた。 既に我々は12-デオキシFCが分化誘導活性を示すことを見出している。本年度ではさらなる構造活性相関研究を行なった。その結果から、より高活性で、CNに匹敵する抗がん効果を示す3α-ヒドロキシ12-デオキシFCを見出した。 さらに、3α-ヒドロキシ12-デオキシFCとIFNaで処理した肺がん細胞A549の抽出物をウエスタンブロットによって解析した結果、両者の併用投与時にのみ、TRAIL(TNF related apoptosis inducing ligand)のレセプターであるDR5(death receptor 5)の過剰発現が認められたことから、両者の併用投与はアポトーシスを誘導することを見出した。 また、CNが細胞内シグナル伝達のメディエーターである14-3-3タンパク質を受容体とし、リン酸化タンパク質と3者会合体を形成することが抗がん活性に必須なイベントであることを示唆する結果を既に得ている。このことから現在、CNやFC誘導体のターゲットとなるリン酸化タンパク質を同定するため、免疫沈降や化合物の各種ラベル化の条件を検討している。
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Research Products
(3 results)