2007 Fiscal Year Annual Research Report
高速時間分解DXAFSによる新規in-situ構造解析法の確立と触媒反応への応用
Project/Area Number |
07J08131
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上村 洋平 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | XAFS / 時間分解 / 触媒 / 反応機構 / 放射光 |
Research Abstract |
本研究では、触媒反応条件下における金属活性点の挙動、特に気相-固相触媒反応系について、その触媒自身の速度論を明らかにするために、in-situ時間分解DXAFS法の開発・改良を行った。現在までにマイクロ秒の時間応答速度を有する位置敏感型検出器を導入し、10マイクロ秒でのリアルタイムDXAFS測定が出来るようになったが、このような高速の反応の時間分解測定をするには如何に反応を開始するかが問題である。現在の測定セルはガス導入に最低でも200ミリ秒の時問を有していたため、50ms以下で反応ガスを瞬時に導入できるDXAFS測定セルの開発を行った。 開発した新しい測定セルは2つの部位からなっており、1つは触媒試料が入っている試料室、もう1つは反応気体を入れているガス室に相当する。両室の概観は、気体の流れに抵抗を与えないよう同じ径の円筒管であり、バタフライバルブで仕切られている。反応を開始する際は、ガス室に所定圧の反応気体を導入し、試料室を真空に保った後、バタフライバルブを閉から開にすることで、ガスを導入し測定を開始する。この新型セルを使って、実際に反応で使用する酸素、メタノールなどの反応ガスを導入し、試料位置でのX線吸光度の時間変化を測定した。どの反応ガスでも少なくとも50msで、試料セル内部の圧力が一定(定常状態)に達しており、現有のセルの半分以下の時間でガスを導入することが可能になった。更に、マイクロ秒応答のピエゾ圧力計を取り付け、圧力計の読みの時間変化と吸光度の変化の時間変化を比較したところ、どちらも同じ速度で変化しており、試料セルに取り付けたピエゾ圧力計の時間変化を見ることで、作成した試料セルの内部へのガスの拡散速度が見積もれることがわかった。
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