2008 Fiscal Year Annual Research Report
高速時間分解DXAFSによる新規in-situ構造解析法の確立と触媒反応への応用
Project/Area Number |
07J08131
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上村 洋平 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | XAFS / 時間分解 / ナノ粒子 / 合金 |
Research Abstract |
平成20年度は1)時間分解in situ XAFSのための高速気体導入セルの開発と2)2元系金属ナノ粒子の酸化還元過程のin situ XAFS測定を行った。 1)の気体導入セルの開発はKEK-PFの野村昌治教授、稲田康宏准教授との共同研究として平成19年度下半期から行っているものである。気相反応を促進する固体触媒の反応初期の過程を捉えるために、従来のセルで時間分解能の限界となっている気体の拡散時間を短縮することを目的とした。平成20年度末で従来100-200msを必要としていた気体の拡散時間を、約8msまで短縮することに成功した。これによりこれまで速度論を適用することのできなかった100ms以下の時間領域についても、化学種の生成、及び減少の反応速度論を展開する事が可能になった。 2)ではパラジウムを酸化亜鉛上に担持した試料と、白金-すずのナノ粒子のアルミナ及びシリカ上に担持した試料の、還元雰囲気での合金形成過程と酸化雰囲気での合金消滅と再分散過程のin situ XAFS測定を行った。Pd/ZnOではパラジウムのK吸収端から合金ナノ粒子形成と酸化による合金消失の有様を明らかにした。また白金-すずの試料では白金のL_<III>吸収端およびすずのK吸収端の双方を測定した。白金-すずの合金形成過程では、白金が還元を受けその後にすずと合金を形成する事を見出した。また酸化過程ではまずすずが酸化を受け、その後に白金が酸化を受ける事を明らかにした。
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