2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J08152
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
上島 考太 The University of Tokyo, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 暗黒物質探索 / 液体キセノン |
Research Abstract |
主に暗黒物質シグナルのバックグラウンド除去の研究を行ってきた。まず4月下旬までカナダのSNO地下実験施設に3ヶ月滞在し、液体アルゴンを用いた暗黒物質探索実験に参加し、暗黒物質による原子核反跳のシグナルとガンマ線バックグラウンドのシグナルをアルゴンのシンチレーション光の波形を利用して分離するという手法を研究してきた。液体アルゴンの場合波形を解析することにより500KeV付近で8ケタものバックグラウンド除去があることが示した。これは今研究を行っている液体キセノンにも有効な手法で、液体キセノンでも波形解析によるバックグラウンド除去が可能となれば暗黒物質探索の感度を格段に向上させることができる。 またキセノン中に含まれるクリプトン除去装置の開発を行った。キセノンには長寿命の放射性同位は確認されていないが、キセノン中に含まれるクリプトンには半減期10年の放射性同位体が存在し、この同位体がベーク崩壊して暗黒物質探索のバックグラウンドとなる。現在の暗黒物質の探索感度を100倍向上させるにはキセノン中に含まれるクリプトンを1pptまで落とす必要がある。キセノンとクリプトンの沸点の違いを利用し蒸留法によりキセノンとクリプトンを分離することに成功し、キセノン処理能力6kg/hrでクリプトン除去能力が5ケタある蒸留塔の開発に成功した。
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Research Products
(2 results)