2007 Fiscal Year Annual Research Report
組換え近交系マウスを用いたダイオキシン類毒性の感受性支配因子の探索
Project/Area Number |
07J08191
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
渡辺 倫夫 Ehime University, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | ダイオキシン類 / Cytochrome P450 / 初代培養肝細胞 |
Research Abstract |
本研究は,初代培養肝細胞および組換え近交系マウスを用いダイオキシン類暴露による毒性影響の感受性の種間差に関与する支配因子を解明することを目標としている。本年度は2007年7月から交付申請書の計画に基づきNational Wildlife Research Centre(カナダ)で鳥類の初代培養肝細胞を用いた研究を開始した。ニワトリの初代培養肝細胞に対し2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin (TCDD)および,近年,環境汚染物質として注目されているperfluorocompounds (PFCs)であるperfluorooctane sulfonate (PFOS)およびperfluorooctanoate (PFOA)をTCDDと共処理し,リアルタイムPCR法により3種のCytochrome P450 (CYP) mRNA発現量を測定した。PFCsは主としてperoxisome proliferator-activated receptor α (PPARα)と結合するが,ダイオキシン類の結合するaryl hydrocarbon receptor (AHR)応答遺伝子の発現に対しても影響すると報告されている。結果,TCDDはAHRを介するCYP1A4 mRNA発現量を劇的に増加させた。またPFOSに関しても濃度依存的なCYP1A4 mRNA発現量の増加を示した。さらに,PPARα応答遺伝子と考えられるCYP4V mRNAの発現量は,TCDDとPFOSまたはPFOAを共処理した場合のみ,発現量がわずかながら上昇し,AHRとPPARα間のクロストークを示唆した。 現在,ダイオキシン類毒性に関してニワトリと比べ鈍感と考えられるセグロカモメを用いた実験を準備中であり,今後,感受性の種間差を解析する。組換え近交系マウスの初代培養肝細胞を用いた実験は,来年度,愛媛大学に戻り次第,開始する。
|
Research Products
(1 results)