2007 Fiscal Year Annual Research Report
水星大気の観測的研究-飛翔体搭載に向けた紫外線分光器の開発
Project/Area Number |
07J08208
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉岡 和夫 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 惑星大気 / 極端紫外 / 飛翔体 / 分光器 / 水星 |
Research Abstract |
地表面を主な生成源とする希薄大気をもつ水星型惑星(月・小惑星など)の構成や進化を議論する上で、大気の組成や分布を同定することは非常に重要である。特にネオンやアルゴンなどの希ガス元素は化学的に不活性であるため、その天体の進化を表す重要な指標となる。また水星型惑星においてはナトリウムなどの金属成分も大気の主成分である。これらの生成過程は微小隕石の衝突による気化や太陽光で熱せられることによる脱離、太陽風によるスパッタリングなどが考えられているが、観測から得られる情報が少ないため未だ不明な点が多い。金属大気の主生成過程を同定することは水星型惑星大気の大局的な理解につながる重要な研究である。 地球の1兆分の1程度しかない水星の希薄大気を検出するためには最も発光効率の高い極端紫外領域での観測が有効である。しかしこの波長領域は地球大気の吸収を受けるため宇宙空間からの観測が必須である。私は平成19年度の研究活動として飛翔体搭載の極端紫外分光器の開発を行ってきた。具体的には欧州に約1ケ月間滞在し、現地の研究者や技術者らと協力し水星探査衛星に搭載する分光器の検出部を試作しその較正試験などを行った。これらの成果は国際学術論文誌に一部掲載される。 また、地球周回の衛星に搭載する極端紫外分光器の開発検討も行っている。こちらは水星に限らず金星や火星、木星など様々な惑星を目標としており、より詳細な検討が必要とされている。私は科学目標の観点からこの分光器の仕様を検討している。これらの成果は平成20年度初頭の国内学会で発表予定である。
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Research Products
(4 results)