2007 Fiscal Year Annual Research Report
魚類の浸透圧調節における速効性及び遅効性ホルモンの作用協関
Project/Area Number |
07J08270
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
ベントゥラ A The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 魚類 / コルチゾル / 浸透圧調節 / 間腎腺 |
Research Abstract |
ウナギは広塩性魚で、海水と淡水を行き来する。従って、浸透圧調節を研究するためにはいいモデルであると考えられている。 広塩性魚の浸透圧調節は、多くの原因が関与する複雑な過程であり、いろいろなホルモン系の相互作用が重要である。漫透圧調節ホルモンは、大きく速効性と遅効性ホルモンで分けられる。速効性ホルモンは環境浸透圧の変化に対して素早く反応し、既存のトランスポーターとチャンネルを調節して体内外の水やイオンの出入りを調節する。速効性ホルモンは鯉、腸、といった様々な浸透圧調節器官に作用して、そこに存在するトランスポーターとチャンネルを新規合成して、新しい浸透圧環境に適応できる体造りをする。本研究では速効性ホルモンとしてナトリウム利尿ペプチド(NP)、速効性ホルモンとしてコルチゾルを用い、NPによるコルチゾル分泌を調べている。 コルチゾルは頭腎と呼ばれる組織の最も吻部側でのみの作られており、その産生組織は間腎腺と呼ばれている。NPによるコルチゾル分泌を調べるために、最初は間腎腺の正確な位置を調べた。そのため、ステロイド生合成酵素の存在部位を免疫組織化学的な方法で調べ、間腎腺の位置を明らかにした。 現在、確定した間腎腺を採取し、invitro実験系の確立を行っている。その実験系では、間腎腺を細かくバラバラにし、8等分し:ホルモン無し(対照群)、ACTH(陽性対照群)、ウナギで固定さているNP(ANP,BNP,VNP,CNP-1、CNP-3,CNP-4)を加えた実験群に分け、コルチゾルの分泌を調べる。 大量のサンプルを測定するため、コルチゾルを測るにはRadioimmunoassay(RIA)を用いるが、現在RIA法の確立も同時に行っている。
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