2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞死関連因子FLASH/CASP8AP2の細胞周期に関わる新規機能の解析
Project/Area Number |
07J08273
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
桐山 真利亜 Kyoto University, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | FLASH / 細胞周期S期 / 欠失変異体 / 機能回復解析 / 細胞内局在解析 / 免疫沈降 / 質量分析法 / DNAマイクロアレイ |
Research Abstract |
我々はFLASH/CASP8AP2の発現抑制を実行すると、低レベルのDNA合成が行われながらも細胞周期がS期で停止するという予想もされない現象が引き起こされることを発見し、この結果を受けてFLASHの機能解析を進めてきた。内在性ヒトFLASHの発現を抑制した細胞に外来性のマウスFLASHやその欠失変異体を発現させて機能回復解析を行った結果、FLASHの細胞内局在や欠失変異体の細胞内局在と細胞周期の進行との相関関係が明らかとなり、さらに細胞周期のS期進行に必須のFLASHの機能領域を同定した。次にFLASHの機能に関与する候補分子を以下の二つの研究によって探索した。1)FLASHが細胞周期の進行に関わる因子に直接作用する場合。内在性FLASHの発現を抑制した細胞に、細胞周期を正常に進行させることが可能なFLASHの欠失変異体を発現させた細胞からFLASHを免疫沈降し、質量分析法によりFLASHと相互作用し、細胞周期に関わる候補分子を同定した。同定した候補分子は、培養細胞系を用いた免疫沈降法によりFLASHと会合していることが確認できた。現在、同定した候補分子の機能やFLASHの機能との関連性を明らかにするため、さらに詳細な機能解析を進めている。2)FLASHが細胞周期の進行に関わる遺伝子の転写制御に関与する場合。FLASHの発現を抑制した培養細胞サンプルや内在性FLASHの発現を抑制した細胞に外来性FLASHの欠失変異体を発現させた細胞サンプル用いてDNAマイクロアレイ解析を行った結果、FLASHの発現抑制により約500種類の遺伝子の発現レベルに二倍以上の変化が認められた。これらの遺伝子の中で特に大きな変化が認められたものについて、RNA干渉実験や強制発現解析を行いFLASHの機能との関連性を調べている。
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