2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞死関連因子FLASH/CASP8AP2の細胞周期に関わる新規機能の解析
Project/Area Number |
07J08273
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
桐山 真利亜 Kyoto University, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | FLASH / 細胞周期S期 / ヒストン / 核内小構造体 / 欠失変異体 / 機能回復解析 / 免疫沈降 / 細胞内局在解析 |
Research Abstract |
我々は遺伝子発現抑制系によりFLASH/CASP8AP2の細胞周期のS期進行に関わる機能を見い出して以後、FLASHの機能解析を進めてきた。欠失変異体を用いた機能回復解析により、FLASHのN末端側4分の3を機能領域として同定した。一方、N末端側のコイルド・コイルドメインは、FLASH自身のオリゴマー化、FLASHの機能発揮に必要であった。次に、FLASHが細胞周期の進行に関わる因子と直接作用する可能性を考えて研究を進めた。内在性FLASHを発現抑制した細胞に発現させた機能領域のみを含むFLASH欠失変異体を免疫沈降し、LC-MS/MSによりFLASHと相互作用しS期進行に関わる分子を探索し、候補分子X(機能未知)を同定した。培養細胞での候補分子XとFLASHとの会合、FLASHとの共局在を確認した。さらに分子Xの機能やFLASHとの関連性の解析を行った。遺伝子発現抑制系で解析すると、分子Xが細胞周期のS期進行に必須な機能を有することが分かった。さらにS期特異的なヒストン遺伝子の発現上昇やそのmRNAプロセッシングに関わる核内小構造体の形成にも機能していた。これはFLASHの機能と類似しており興味深い。また、分子XとFLASHとの会合に必要な領域を同定するため、培養細胞に様々な欠失変異体を発現させて共免疫沈降解析を行った。結果、FLASH側の会合配列として13アミノ酸を同定した。分子X側の会合領域は、生物種を越えて(植物から哺乳類まで)高度に保存された領域であった。以上、FLASHと分子Xの機能には共通点が多いが、FLASHの発現は限られた生物のみで認められる。従って、高等生物の複雑な細胞周期の調節機構をより厳密に制御する為に、FLASHが重要な役割を担っている可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)