2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞死関連因子FLASH/CASP8AP2の細胞周期に関わる新規機能の解析
Project/Area Number |
07J08273
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
桐山 真利亜 Kyoto University, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | FLASH / ARS2 / S期 / 細胞増殖 / 細胞周期 / shRNA / ヒストン / 培養細胞 |
Research Abstract |
FLASH/CASP8AP2はcaspase8に会合する分子として発見されいくつかの報告がなされてきたが、その生理学的機能には未だ不明な点が多かった。我々はFLASH特異的なshRNAの発現誘導によってFLASHの発現抑制を実行し、低レベルのDNA合成が行われながらも細胞周期がS期で停止するという予想もされない現象が引き起こされることを発見し、FLASH、ARS2、FLASHとARS2との会合が、細胞増殖やS期の進行、S期におけるヒストン遺伝子の発現に必要であることを明らかにした。FLASHの発現抑制により生じる細胞増殖やS期進行の停止という現象は、ARS2の発現抑制によって起こる現象と非常によく類似していた。そこで、ARS2の発現抑制を誘導した培養細胞において、ARS2の発現抑制の開始から経時的にFLASHタンパク質の発現量を調べたところ、ARS2の発現抑制の誘導によってARS2タンパク質の発現量が検出できないレベルまで低下する時間帯から、FLASHタンパク質の発現量が経時的に減少し始めて、ARS2の発現抑制により引き起こされるS期進行の停止が生じる時間帯にはFLASHタンパク質の発現量が検出できないレベルまで低下していることが明らかとなった。以上のように、ARS2の発現量が低下するとFLASHの発現量の低下が起きることから、ARS2タンパク質はFLASHタンパク質の安定性に寄与している可能性が示唆された。これまで、FLASHが多機能を有する分子であることを示唆する報告が多数なされているが、FLASHの機能には未だ不明な点が残っている。FLASHは細胞増殖に深く関わる分子であるので、その機能解明が与える学問的・医学的な重要性は非常に高いと考えられ、今後の更なる研究の進展が期待される。
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Research Products
(5 results)