2008 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキタスネットワーク環境における位置情報追跡システムの開発に関する研究
Project/Area Number |
07J08276
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内山 彰 Osaka University, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 位置推定 / モバイルアドホックネットワーク / 都市環境 / 歩行者 / MANET / 無線ネットワーク / ユビキタスネットワーク |
Research Abstract |
昨年度では広く普及している携帯電話や安価な小型センサを利用したGPSに依存しない位置推定手法を考案し,国際会議にて発表を行った.最終年度となる平成20年度は,提案した位置推定手法について実環境において問題となる様々な状況を想定し,より詳細な性能評価を行うことによって提案手法の実現可能性を検討した.具体的には(i)高密度な都市環境で定期的に位置推定のための情報交換を行うことによる通信コストの評価,(ii)端末密度の変動が位置推定精度に与える影響の評価,(iii)現実により近い無線通信範囲モデルを用いた評価を行い,それぞれの評価結果と実際の携帯端末などの仕様を考慮した結果,提案手法は十分に実現可能であることを確認した. このような端末密度の変化を考慮した性能評価を行うにあたっては,従来のシミュレータでは容易に再現できない歩行者の信号待ちや混雑状況による速度・経路変化などを記述可能なシミュレータが必要となる.そこで,モバイルアドホックネットワークにおいてプロトコル性能を大きく左右する端末の移動特性の再現に特化したネットワークシミュレータMobiREALを用いて性能評価を行った.MobiREALの研究成果は医療・科学分野で年間250,000件もの論文を出版している世界的に著名なElsevier社の国際論文誌Ad Hoc Networksに本年度掲載された.また,MobiREALの研究活動の中で得られた端末の移動特性に関する知見を基に,人の流れを応用した手法の一つとして,近隣端末との通信記録を元に同一方向へ移動している端末を推定し,優先的に通信を行わせることにより途絶が少ない通信を実現する手法を提案した.
|
Research Products
(8 results)