2007 Fiscal Year Annual Research Report
ジャスモン酸類による抗酸化物質代謝の活性化が病害応答に果たす役割とその制御
Project/Area Number |
07J08288
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
関本 結子 (佐々木 結子) The Institute of Physical and Chemical Research, 植物免疫研究チーム, 特別研究員(PD)
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Keywords | ジャスモン酸 / 抗酸化物質 / OPDA / 病害応答 |
Research Abstract |
シロイヌナズナには5つのdehydroascorbate reductase(DHAR)のホモログが存在する。このうち2つのDHAR(At1g19570, At1g75270)はJAと傷害、JA生合成前駆体であるOPDAと傷害にそれぞれ誘導され、葉緑体以外に局在すると予想されている。申請者は特にこの2つのJA類に応答するDHARに着目することで、I.病原菌感染時においてJA類シグナルが抗酸化物質代謝を活性化することII.抗酸化物質代謝の活性化の結果起こるROSの消去や酸化還元状態の変化等に依存して細胞死が抑制され、殺生菌への耐病性を獲得することを明らかにし、最終的にはIII.JA類情報伝達を介した抗酸化物質代謝の協調的制御因子を単離・同定することでJA類情報伝達による細胞死の抑制機構を明らかにすることを目的とする。 本年度においては、JA応答型およびOPDA応答型DHARのプロモーター領域とβ-グルクロニダーゼ(GUS)遺伝子を融合したレポーター系を発現する組換植物を作出し、ストレス時や組織ごとのDHAR発現パターンを解析した。その結果、JA応答型DHARは傷ついた葉全体や、花、特に葯に強く発現が見られた。一方OPDA応答型DHARは傷の周辺部分にのみ発現が見られたが、その他の組織での発現はみられなかった。現在、病原菌感染時における発現部位の解析、および各DHAR破壊株の感受性の解析を行っている。
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