2008 Fiscal Year Annual Research Report
近世以後における生死空間の構築とその思想宗教的意味
Project/Area Number |
07J08301
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
李 維涛 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 儒学 / 国学 / 耶蘇教 / 死生 / 人間 / 悪 / 幽冥 |
Research Abstract |
研究テーマは、近世社会における死生観を、死後世界の構築という形で、中国儒学→朱子学→日本儒学→国学という思想史の流れの中で捉え、仏教・道教・耶蘇教による中国儒学と日本儒学への影響も含めて、そのような儒学に対する近世儒学者たちの批判、更にそれが国学者に如何なる影響を与えたかを考察し、比較という観点で、歴史の流れの中で、近世東アジア地域における死生観の構築の思想的宗教的意味を究明することである。 平成20年度は、朱子学→日本儒学→国学という部分を中心に、「生死・霊魂・鬼神・悪」をキーワードとして、中国儒学と江戸儒学の関係(仏教・道教・耶蘇教等の影響も含めて)を時間・空間の両方から考察し、これらが平田篤胤の幽冥観を機軸とする国学の死生空間の構築に与える影響を見てきた。儒学を根底に共有する東アジア地域の洋学からの影響も含めての死生観を、一つの立体像として提示することができた。 このような研究目的と計画の実施によって、研究成果としては、平成20年度8月に東アジア宗教文化学会で「平田篤胤の幽冥観における諸宗教の受容」、10月に日本倫理学会で「近世国学における「悪」の問題」、日本思想史大会で「本居宣長における「こころ」の位相-「情・心・意・性」」と発表した。以上の学会発表は何れも論文に仕上げて、学会誌に投稿する予定で、今その執筆中である。
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Research Products
(4 results)