2007 Fiscal Year Annual Research Report
生物多様性・炭素収支の評価にむけた遷移段階別の広域的な森林タイプ分類
Project/Area Number |
07J08314
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
平川 啓子 (長島 啓子) Kyushu University, 農学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 植生遷移 / 植生回復 / 初期遷移 |
Research Abstract |
出産・育児による中断期間(平成19年4月1日〜平成20年1月31日)を経て,2月より本格的な研究活動を開始したが,平成19年10月より研究再開支援期間として徐々に当研究に取り組んできた.本年度は,植生遷移に関する既存の研究を整理し,(1)遷移段階のどの段階にどのような植物群落がみられるかを整理すること(遷移段階の定義)と(2)定義された各遷移段階の植物文楽に出現する樹種を整理し,遷移段階別樹種リストの作成することが主要な目的であった.本研究では自然林伐採後の遷移パターン(二次遷移),薪炭利用後の遷移パターン,人工林伐採後の遷移パターンの3つに焦点を当てて遷移段階の定義を行っている.前二者については,多くの既存の植生に関する資料を収集・整理したことにより,遷移段階後期の植物群落の定義とその樹種リストができつつある.また,人工林伐採後の遷移パターンについては,これまで蓄積された九州全域にわたる100地点の再造林放棄地の植生回復状況の調査データから,遷移初期の段階から先駆性樹種が優占する林分,スダジイなどの常緑樹が優占する林分,落葉高木が優占する林分など,多様な植生が見られることが新たに判明し,平成20年3月に行われた森林学会においてその成果の一部を発表している.これらの成果により,2009年半ばの樹種リストの完成の素地ができたと言える. 本年度は更に,不足している人工林伐採後長時間経過した林分の調査データの収集も開始し,長崎県(1カ所),大分県(5カ所)において10年以上経過している林分の植生調査データを入手している.大分県では10年以上経過しているだろう他の林分の位置も明確になっており,来年度現地調査を行う.
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Research Products
(1 results)