2007 Fiscal Year Annual Research Report
幼児における発話解釈能力の発達およびその基盤の解明
Project/Area Number |
07J08343
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 賢輔 The University of Tokyo, 大学院・教育学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 心の理論 / 誤信念課題 / アイロニー理解 / 発話解釈能力の発達 / 語用論 |
Research Abstract |
本研究は、発話解釈能力の発達およびその基盤、発話解釈の認知プロセスに迫ることを目的とするものである。現在の主要な語用論理論では、発話解釈における他者の信念を表象する能力(メタ表象能力)の役割が重要視されている。メタ表象能力の獲得時期が4歳前後とされているにも関わらず、2、3歳児は非常に優れたコミュニケーション能力を示すという矛盾が存在することから、初年度はまず発話解釈能力の認知過程を明らかにするために、コミュニケーション場面を用いた実験により、幼児のメタ表象能力の発達過程について一連の実験を実施した。結果、3歳児において、他者の信念理解の萌芽がコミュニケーション場面においてみられること、一方、その理解を適切な行動として表出するのは困難であることを見出した。また、幼児の発話解釈を通じてのマインドリーディングにおいて、発話の字義通りの意味を抑制する必要の有無という要因が、幼児の行動に大きな影響を与えており、幼児が字義解釈に固執してしまう状況について示唆的な結果を得た。昨年度にはこれら一連の実験の成果の一部をJSLS2007にて口頭発表した。この一連の実験の成果は今年度も引き続き発表する予定であり、2008年7月にワシントンDCで開催予定のCogSci2008で既にポスター発表として採択されており、studies in Language Soiencesにも論文を投稿した(査読中)。さらに本研究では、発話解釈における種々の推論能力の発達とメタ表象能力の関連を明らかにするという目標の下、発話の言語形式と発話がなされた状況を要因として操作し、種々の言語形式の理解について実験を重ねていく予定である。これに関して、昨年度は、アイロニー理解の発達的変化とメタ表象能力、抑制機能の発達との関連を明らかにするための実験を計画し、実験材料の作成などデータ収集の準備を行った。
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Research Products
(1 results)