2007 Fiscal Year Annual Research Report
減数第一分裂における還元分裂の制御メカニズムの研究
Project/Area Number |
07J08366
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加々美 綾乃 The University of Tokyo, 大学院・理学糸研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 染色体分配 / 減数分裂 / 一方向性結合 / Polo-likeキナーゼ / Moal / 分裂酵母 |
Research Abstract |
細胞は染色体の分配形式の異なる体細胞分裂と減数分裂の二つの分裂様式を使い分けている。増殖の際に用いられる体細胞分裂では複製された姉妹染色分体は動原体の二方向性結合が確立し、両極へと均等に分配されるのに対し、生殖細胞で見られる減数分裂では減数第一分裂において姉妹動原体は一方向性の結合となり、同じ方向の極へと移動する(還元分配)。このような姉妹染色分体の分配様式の制御は遺伝情報を正しく子孫へと伝えるために必須であり、減数分裂期における染色体分配異常は流産およびダウン症やターナー症候群などの先天性疾患の原因となることが知られている。 減数分裂における姉妹染色分体の還元分配の制御メカニズムは真核生物で広く保存されている事から、本研究ではモデル生物として分裂酵母を用いる事で還元分配および姉妹動原体の一方向性結合の制御メカニズムを詳細に解析する事を試みている。 分裂酵母の減数分裂における姉妹動原体の一方向性の制御には、減数分裂期特異的動原体タンパク質MoalとPolo-likeキナーゼの分裂酵母ホモログPlo1の複合体が必須の役割を果たしている。そこで一方向性結合を確立するのに必要な新規因子を同定するためのスクリーニングを行った。その結果、スプライソソーム複合体に含まれる因子として同定されていたアセチル基転移酵素モチーフを持つ遺伝子を含むクローンが同定された。この因子は姉妹染色分体間の接着を確立するのに必要である事が知られている別のアセチル基転移酵素の温度感受性株のマルチコピーサプレッサーとしても同定されていた。そこで現在この2つのアセチル基転移酵素がどのようにMoal-Plol複合体と関わる事により姉妹動原体の一方向性結合を制御しているかについて解析中である。
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Research Products
(1 results)