2007 Fiscal Year Annual Research Report
動線を最適化する平面計画問題に対する効率的な組合せ最適化アルゴリズムの研究
Project/Area Number |
07J08388
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
神山 直之 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 避難計画問題 / 組合せ最適化 / アルゴリズム / 動的ネットワークフロー |
Research Abstract |
本年度は,申請時の研究計画に記されているように,1.筆者が前年開発した辺容量が一定のグリッドネットワークに対するアルゴリズムの適用できるネットワークのクラスの拡張,2.実用的な制約を加えた避難計画問題に対する研究を行った.課題1に対しては辺容量が一定のグリッドネットワークを一般的に拡張したネットワークのクラスである,単一パス長完全連結という性質を持つネットワークにおける避難計画問題に対する高速なアルゴリズムの開発に成功した.さらに,このアルゴリズムの開発の際に,離散数学の分野であるグラフ理論の古典と言える1973年にJack Edmondsが証明した最大最小定理の興味深い一般化に成功した.この結果は,避難計画問題にとどまらず,応用的にも純粋にグラフ理論的にも価値のあるものであり,離散アルゴリズムの分野の国際会議ではしばしばオリンピック的と表現されるほど採択されるのが難しい会議であるSODAに採択された.さらにこの結果から,避難計画問題だけでなく広い応用の考えられる有向グラフ上の被覆問題に対する多項式時間アルゴリズムを開発することに成功した.課題2に関しては通常の避難計画問題に現実的な制約を加えた以下の二つの問題を定式化し扱った.まず,問題aとして点における滞留を禁止した問題と,問題bとして各点のサプライは同じ道を通ってシンクまで避難する制約を加えた問題を扱った.そして,問題aに対しては単一パス長という性質を持つネットワークに対する多項式時間アルゴリズムを開発し,問題bに対してはこの問題がNP困難,つまり多項式時間アルゴリズムが存在しないであろう問題であることを証明した.
|
Research Products
(14 results)