2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J08391
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
野村 大輔 High Energy Accelerator Research Organization, 素粒子原子核研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 電弱精密測定 / ミューオン異常磁気能率 / 超対称標準模型 / LHC実験 |
Research Abstract |
今年度もLHC実験本格稼働前の準備として、LEP実験における電弱精密測定の最終結果およびmuon g-2の測定結果から予想される超対称模型のパラメータ領域がどのあたりであるか調べた。我々の結果によると、数百GeV程度の質量をもつスレプトンは電弱精密測定およびmuon g-2の結果と無矛盾である。この程度の質量をもつ超対称粒子はLHC実験で発見されることが以前から知られており、LHC実験への期待がさらに高まったことになる。また、LEP実験において得られたデータによると、レプトンの角度分布の非対称性から抜き出したワインバーグ角の値と、ハドロンの角度分布の非対称性から抜き出したワインバーグ角の値との間に3シグマほどのずれがあることが知られている。我々は後者のデータを捨てた場合について、超対称標準模型について上記の電弱精密解析を行ったところ、100GeVから200GeV程度の軽いスレプトンがよくデータに合うという結果を得た。 上で述べた結果の主要な部分はすでに平成19年度中に完成していたが、20年度はこれに加え、従来の論文の誤りを指摘する部分を書き加えたり、スタウのLeft-right mixingがTパラメータに大きく寄与する場合があることを指摘したり、比較的新しい模型からよいサンプルポイントを選んだりするなど、改良を多数加えた。 この研究および関連した研究は、2008年9月に山形大学で行われた日本物理学会2008年秋季大会、静岡県伊東市において2008年8月に開かれた研究会「ミューオンを使った素粒子物理実験」や、2008年6月の研究会「SUSY08」、2009年3月の研究会「Hints09」で発表した。
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Research Products
(4 results)