2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J08391
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
野村 大輔 High Energy Accelerator Research Organization, 素粒子原子核研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 電弱精密測定 / ミューオン異常磁気能率 / 超対称標準模型 / LHC実験 |
Research Abstract |
今年度はLHC実験開始直前の準備として、LEP実験における電弱精密測定の最終結果およびmuon g-2の測定結果から予想される超対称模型のパラメータ領域がどのあたりであるか調べた。我々の結果によると、数百GeV程度の質量をもつスレプトンは電弱精密測定およびmuon g-2の結果と無矛盾である。この程度の質量をもつ超対称粒子はLHC実験で発見されることが以前から知られており、LHC実験への期待がさらに高まったことになる。また、LEP実さてきてにおいて得られたデータによると、レブトンの角度分布の非対称性から抜き出したワインバーグ角の値と、ハドロンの角度分布の非対称性から抜き出したワインバーグ角の値との間に3シグマほどのれがあることが知られている。我々は後者のデータを捨てた場合について、超対称標準模型について上記の電弱精密解析を行ったところ、100GeVから200GeV程度の軽いスレプトンがよくデータに合うという結果を得た。この結果はお茶の水女子大の曹助教授、KEKの萩原教授、KEK/総研大の松本氏との共同研究として、論文として準備中である(プレプリント番号KEK-TH1236,OCHA-PP-298)。この研究を通して得られた結果の一部は2007年秋に北海道大学で行われた日本物理学会第62回年次大会において発表した。また、この研究および関連する研究に関しては、上に述べた日本物理学会のほかにも、東大宇宙線研において2007年12月に開かれた研究会「初期宇宙と素粒子標準模型を超える物理」や、2007年9月に名古屋大学でのセミナー、2008年3月に行われた研究会「NP08」などで、いずれも招待講演として発表した。
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Research Products
(1 results)