2007 Fiscal Year Annual Research Report
小型トカマクを用いたディスラプション時のプラズマ内部構造ダイナミクスの解明
Project/Area Number |
07J08456
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岡本 征晃 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ディスラプション / 小型トカマク / 電流減衰時間 / プラズマ内部計測 |
Research Abstract |
小型トカマクHYBTOK-IIを用いてディスラプション発生時のプラズマ内部構造ダイナミクスのプローブによる直接計測を行った。磁場と静電信号の同時計測を行ったところ、電流消滅の前に電子温度に磁場揺動と相関の強い揺動が観測された。この揺動はm/n=3/2のモード構造の回転に起因することが分かった。 HYBTOK-IIでのディスラプションの発生原因は、m/n=3/2のテアリングモードとm/n=1/1の内部キンクモードの相互作用による磁力線の再結合と推測した。ディスラプション発生直前において、中心部のプラズマ電流と粒子の吐き出しを観測した。プラズマ電流の吐き出しにより内部インダクタンスが減少し、フープカの減少によって、プラズマのトーラス内側への移動が観測されたと考えられる。その移動に伴い、プラズマー壁相互作用の増加も観測され、プラズマ断面積と電子温度の減少によってプラズマ電流減衰が開始したと考えている。以上の結果をJornal of Nuclear Materials誌とNuclear Fusion誌にまとめた。 国際熱核融合実験炉ITERでは電流減衰時間のデータベースが構築されており、プラズマをコイルと抵抗で表したときの時定数L/Rを電流減衰時間と見なし、プラズマ断面積で規格化した値が用いられている。 このモデルでは電子温度が重要なパラメータとなるが、大型装置でのプラズマ電流減衰中の電子温度の計測は困難であるため、実験的なモデルの妥当性の検証はない。HYBTOK-IIでは電流減衰初期段階において電子温度もプラズマインダクタンスも実験的な評価ができるので、モデルの実験的な検証を行った。その結果、定性的なモデルの有効性が確認された。一方、定量的な評価ではモデルの予測値と実験値の絶対値が異なる結果となった。以上の結果は、Plasma and Fusion Research誌でまとめている。
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Research Products
(6 results)