2007 Fiscal Year Annual Research Report
ケイ酸塩鉱物中の微細磁鉄鉱の磁気異方性を用いたマグマ流動の解読
Project/Area Number |
07J08462
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
臼井 洋一 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 古地磁気 / 離溶 / 古地磁気強気 / オフィオライト / 花崗岩 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ケイ酸塩中に存在する微細な磁鉄鉱に対する選択的な磁気測定から、過去のマグマのダイナミクスや地球磁場の振る舞いを明らかにすることである。今年度は、手持ちの花崗岩サンプルの分析および、オマーンオフィオライトにおけるサンプリングを行った。花崗岩サンプルからは、離溶した微細な磁鉄鉱を含む斜長石の結晶を分離する方法を開発し、産業総合研究所およびロチェスター大学にて、磁気特性の測定および古地球磁場強度の復元実験を行った。その結果、磁気異方性および時期獲得特性が磁場強度の見積もりに大きく影響することを、単結晶を用いた実験で初めて確認した。類似のサンプルは、特に原生代に多く存在するため、今回の結果は、太古の地球磁場研究に有用である。オマーンオフィオライトは陸上に乗り上げた海嶺であり、海嶺のマグマダイナミクスを研究するために、野外調査とサンプリングを行った。海洋地殻の主要な構成岩石である斑レイ岩中の斜長石が、微細な磁鉄鉱を含むことを確認した。このサンプルから、マグマ流動が復元できると期待される。また、このサンプルの古地磁気的研究は、オマーンオフィオライトのテクトニクスについても制約を与える。さらに、海嶺熱水活動との関連が指摘されている、ガブロノーライト中の斜長石からも、微細な磁鉄鉱を発見した。斑レイ岩サンプルと、このサンプルの古地磁気記録との比較から、この岩石の起源、そして海嶺でのマグマ活動の詳細が明らかにできる可能性がある。
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