2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J08504
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
樋口 雅之 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | サイトカイニン / FRET / シロイヌナズナ / 植物ホルモン / 受容体 / センサー |
Research Abstract |
植物ホルモンによって植物の生長・分化は緻密に制御されており、その分子機構や生理作用を解析することは非常に有用である。サイトカイニンもその植物ホルモンのひとつである。近年サイトカイニン受容体や合成酵素を含めた情報伝達上流の因子が発見、解析されその分子機構について大きな進展が見られた。私は分子機構に続いてその生理作用の解析を進めるため、ツールの開発に着手している。 解析用のツールとして注目したのがFRET(Fluorescence Resonance Energy Transfer)を応用したセンサーの開発である。このFRETセンサーは蛍光分子間のエネルギー移動を指標に情報伝達の様子や分子の濃度などを知ることができる。今回サイトカイニンセンサーを作成するに当たり、サイトカイニン受容体のサイトカイニン結合部位を用いて、サイトカイニンの有無によってFRETが変化する一分子FRETセンサーを構築している。センサーとしてサイトカイニン結合部位を中心にN末端及びC末端に蛍光蛋白質であるSECFP(CFP)とVenus(YFP)を融合させた蛋白質を作成している。これをシロイヌナズナのプロトプラストで発現させ、サイトカイニン処理によるFRET変化を測定する。この際サイトカイニン結合部位の領域やリンカーを調整することで最適なサイトカイニンセンサーのスクリーニングを行っている。現在サイトカイニン処理により弱い変化を示すものを見つけており、更なる改良によりFRET変化の増大、測定できるサイトカイニン濃度の最適化を目指している。
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