2007 Fiscal Year Annual Research Report
抗菌性ペプチド、ランチビオティックの耐性機構における分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
07J08509
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
奥田 賢一 Kyushu University, 農学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 抗菌性ペプチド / バクテリオシン / ランチビオティック / ABCトランスポーター / 膜タンパク質 / 自己耐性機構 / 自己耐性タンパク質 / 吸着型自己耐性タンパク質 |
Research Abstract |
ランチビオティックはその構造中に通常のタンパク質では見られない異常アミノ酸を含む抗菌性ペプチドであり、高い安定性や多様な生理活性を始めとした優れた特性を有すことから、食品保存料から医薬まで幅広い分野での実用化が期待されている。現在、ランチビオティックの実用化に向けた取り組みは盛んになされているが、耐性菌の蔓延を抑えた継続的な使用を行う上で、ランチビオティック耐性機構を解明することは重要である。代表者は、ランチビオティックnukacin ISK-1生産菌であるStaphylococcus warneri ISK-1が、自身の生産したランチビオティックから自らを守るために保持している自己耐性機構を分子レベルで解明することを目的として研究を行った。まず、本機構においてランチビオティックの排出を担うABCトランスポーター(NukFEG)と、ランチビオティックに対して吸着作用を有する新規な自己耐性タンパク質(NukH)とが細胞膜上で協調的に機能していることを見出した。さらに、様々なnukacin ISK-1改変体やNukH変異体を用いて解析を行い、NukHによるランチビオティック吸着の分子メカニズムを明らかにした。また、NukHがnukacin ISK-1タイプのランチビオティックに対して高い吸着能を示すことを利用し、NukH発現菌体を用いたランチビオティックのハイスループットスクリーニングシステムの構築を行った。本研究で得られた成果はランチビオティック耐性機構における分子メカニズムの解明とその応用利用に飛躍的な進展をもたらすものである。
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Research Products
(2 results)