2007 Fiscal Year Annual Research Report
Rap2-JNK新規シグナル伝達経路の遺伝子改変マウスを用いた機能解析
Project/Area Number |
07J08562
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
上地 悠紀子 University of the Ryukyus, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Rap2 / ノックアウトマウス / JNK |
Research Abstract |
所属研究室において、癌遺伝子産物Rasの類縁分子であるRap2がmitogen-activated kinase kinase kinase kinase(MAP4K)と結合しc-Jun N-terminal kinase(JNK)を活性化する新しいシグナル経路を見いだしており、このRap2-MAP4K-JNK経路が生体内でどのような生理・病理現象に関与するかを明らかにするため、3種類のRap2(A,B,C)およびMAP4Kの1つTraf2-and Nck-interacting kinase(TNIK)のノックアウトマウスを作成している。 ノックアウトマウス作製は大きく3つの段階に分けられる。(1)標的遺伝子の周辺を改変したターゲティングベクターを作成し、そのベクターを用いて相同組換えを行なったES細胞の樹立。(2)ES細胞を胚盤胞にインジェクション後、子宮内に移植し、キメラマウスを作出。(3)キメラマウスの交配によりgerm-line transmissionを確認した後、germ-line transmissionマウスとwild-typeマウスの仔としてヘテロマウスを得る。現在までに、Rap2Bに関しては、第3段階目まで進捗した。Rap2A,CおよびTNIKに関しては、第1段階目のターゲティングベクターの構築を進めている。 また、ノックアウトマウスの作製と並行して、3種類のRap2に対する特異抗体の作製を行なった。Rap2A,B,Cは非常に相同性が高いため、それらを識別できる抗体が無かった。そこで、3者間で異なるアミノ酸配列を多く含むC末端領域を抗原とし、ウサギへの感作を行ない、得られた血清のアフィニティー精製を行なった。これによりRap2A,Cに対する特異抗体を得た。
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