2008 Fiscal Year Annual Research Report
Rap2-JNK新規シグナル伝達経路の遺伝子改変マウスを用いた機能解析
Project/Area Number |
07J08562
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
上地 悠紀子 University of the Ryukyus, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 遺伝子改変マウス |
Research Abstract |
本研究の目的は癌遺伝子産物Rasの類縁分子Rap2の3種のアイソフォームRap2A、B、C、およびそのエフェクタータンパク質TNIKの4種類のノックアウト(KO)マウスの作成と解析により、Rap2-JNKシグナル伝達経路がどのような生理・病理現象に関与するかを明らかにすることである。Rap2B遺伝子に関してヘテロ欠損マウスを得ているが顕著な表現型は認めず、ホモ欠損マウスの作成に取り組んでいる。KOマウス作成には(1)ターゲティングベクターとの相同組換えを生じたES細胞の樹立、(2)ES細胞を胚盤胞にインジェクションし仮親に移植してのキメラマウスの作成、(3)germ-line transmissionしたキメラマウスと野生型マウスの仔としてヘテロマウスの作成、の3段階があるが、Rap2A、Cは(1)の相同組換えES細胞のセレクション中、TNIKは(2)のキメラマウスの作成中である。すべてCre-loxPシステムによるコンディショナルKOマウスであるが、まず最初に組織非特異的Cre発現によるnullマウスを作成している。一方、KOマウスと並行してRap2B特異抗体の作成に取り組んだ。Rap2A、B、Cは相同性が高く、個々を識別する抗体が無い。そこで、アイソフォーム間で異なるアミノ酸が多いC末端領域の合成ペプチドを抗原とし、ウサギおよびモルモットへ感作して血清のアフィニティー精製を行なっている。なお、昨年度実施した抗Rap2A、C抗体の作成の過程で見いだしていた、Rap2の脂質修飾、細胞内局在と機能の関係についてRap2Bも解析し論文発表を行った(Uechi et al,2009)。この論文はrecycling endosomeがsignaling endosomeとしても機能するという概念を初めて決定的に示したものと考えている。
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