2009 Fiscal Year Annual Research Report
イノシトールリン脂質代謝酵素の機能解析による骨代謝細胞制御法の開発
Project/Area Number |
07J08593
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岡本 一男 Tokyo Medical and Dental University, 医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 骨代謝 / 破骨細 / 骨芽細胞 / イノシトールリン脂質 / PI3K / Th17細胞 / ノックアウトマウス / IκBζ |
Research Abstract |
1.前年度より引き続き、骨代謝細胞特異的p85α/p55α/p50αコンディショナルノックアウトマウス、p85βノックアウトマウス、p110gノックアウトマウスの骨髄細胞・頭蓋冠細胞を用いて、in vitro培養系における破骨細胞形成能・骨芽細胞分化能を解析した。さらに象牙切片を用いた破骨細胞培養実験により、破骨細胞の骨吸収活性も解析を行った。これらの解析から、破骨細胞分化・機能におけるp85α/p55α/p50αの重要性を明らかにした。2.レトロウイルスベクターによるRNA干渉法を用いたスクリーニングにより、破骨細胞分化・機能に関わるPI3K下流の候補分子を選び出した。さらにそれら候補遺伝子に対するRNA干渉法により破骨細胞の分化・機能への影響を検討した。3.関節リウマチにおける、PI3Kシグナルを標的とした治療法の有効性を検討するため、炎症性骨破壊モデル(LPSの頭蓋冠投与)を実施した。同時にTh17細胞分化におけるPI3Kシグナル関連遺伝子の役割も検討した。PI3KシグナルはToll様受容体(TLR)下流でも活性化されることが報告されている。またTLR経路の活性化は樹状細胞のThl7細胞分化誘導能に深く関連している。そのため樹状細胞とCD4陽性T細胞との共存培養によるThl7細胞分化誘導培養系を確立し、Th17細胞分化誘導制御におけるTLR下流のシグナル経路および転写制御機構の重要性を検討した。その解析過程で、TLR下流で活性化される転写制御因子IκBζ遺伝子が樹状細胞ではなく、CD4陽性T細胞内因的にTh17細胞分化に必須であることを見出した。これらの研究結果は、『11.研究発表』記載の研究成果を導くに至った。
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Research Products
(4 results)