2008 Fiscal Year Annual Research Report
イノシトールリン脂質代謝酵素の機能解析による骨代謝細胞制御法の開発
Project/Area Number |
07J08593
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岡本 一男 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 骨代謝 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / イノシトールリン脂質 / PI3K / RANKL / ノックアウトマウス / Th17細胞 |
Research Abstract |
1,前年度から引き続き、骨代謝細胞特異的p85α/p55α/p50αコンディショナルノックアウトマウスを作製した。またこれらのp85α/p55α/p50αコンディショナルノックアウトマウス、並びにp85βノックアウトマウス、p110γノックアウトマウスの骨組織を解析することで、各PI3Kサブユニットの骨代謝における役割を個別に検討した。2,上記の遺伝子変異マウスの骨髄細胞を用いて、in vitro培養系における破骨細胞形成能を解析した。またp85αノックアウトマウスは胎生致死であるため、胎児肝細胞を用いた破骨細胞分化培養を行い、破骨細胞形成能を解析した。これらの解析から、破骨細胞分化における各PI3Kサブユニットの重要性が検討できた。3,上記の遺伝子変異マウスの頭蓋骨から骨芽細胞の前駆細胞を調整し、in vitro培養系における骨芽細胞分化及び機能を解析した。4,レトロウイルスベクターによるRNA干渉法を用いて、既知のPI3K下流分子の破骨細胞分化への影響を評価し、破骨細胞分化制御に関わるPI3K下流分子の同定を試みた。5,関節リウマチなどの骨疾患における、PI3Kシグナルを標的とした治療法の有効性を検討するため、上記の遺伝子変異マウスを用いた炎症性骨破壊モデル(LPSの頭蓋冠投与)の実施を予定している。このモデルでは、炎症性helper T細胞(Th17細胞)による炎症惹起の結果、破骨細胞が活性化されて骨破壊が誘導される。そのため、各遺伝子変異マウスにおいてTh17細胞分化自体に異常が認められないかを事前に確認しておく必要があり、今年度ではTh17細胞の解析系の確立並びに各遺伝子変異マウスにおけるTh17細胞分化の解析を行った。
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Research Products
(14 results)