2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J08602
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
李 賀 The University of Tokyo, 大学院・法学政治学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 公正貿易 / 自由貿易 / グローバリゼーション |
Research Abstract |
今年度4月から6月までの短期間においては、主に博士論文の執筆に同けて、資料の収集・整理作業を行いました。 具体的にいえば、不公正貿易論の具体的発見パターンであるダンピング行為の成立及びGATT6条における根本的な問題性、GATS協定の成立経緯に現れたマーケット・アクセス概念と「不公正貿易論」との相剋関係などを巡る先行研究文献をできるだけ網羅するように力を入れました。 一方では、WTO体制下における自由貿易の在り方を論じる際に「非貿易的関心事項」の観点も不可欠と思われるゆえ、それについても関連資料を調べました。製品安全・食品安全、環境の保護、労働基準、文化、農業などのような社会的価値は、必ずしもWTO体制の自由貿易・効率性と合致するわけではないが、如何に両者の関係を調整すべきか、博士論文の関心を持っている論点の一つとなっています。より実証的に論証するために、上記な貿易外の関心事項に関わるガソリン事件、アスベスト事件、エビ・亀事件、牛肉ホルモン事件、バナナ事件、ブラジル・再生タイヤの輸入に関連する措置事件等のパネル・上訴審報告を素材として、分析を展開していくつもりです。 なお、この段階で、資料収集のほかに、主に次の文献を中心に読みました。BHAGWATI & HUDEC Editors vol.2 Legal analysis Fair Trade and Harmonization、Lityinoff&Madeley 50 Reasons To Nuy Fair Trade、ジョセフ・E・スティグリッツ『世界に格差をばら撒いたグローバリズムを正す』、小寺彰『転換期のWTO--非貿易的関心事項の分析』、石見徹『グローバル資本主義を考える』等々。
|
Research Products
(1 results)