2007 Fiscal Year Annual Research Report
HIVの潜伏感染・再活性化におけるエピジェネティック制御機構の解析
Project/Area Number |
07J08610
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三宅 在子 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | HIV-1 / siRNA / 動物モデル / SHIV / ヒストン化学修飾 |
Research Abstract |
平成19年度は、本研究課題の第一の目的である「siRNAによるウイルス遺伝子発現制御機構のサルにおけるモデル系確立」に焦点を当て研究を進めた。近年、HIV-1 LTRプロモーター領域を標的としたsiRNAによるウイルス遺伝子発現抑制効果が細胞培養系において報告されている。それら機構の個体レベルでの解析を目的とし、サルモデル系の確立を試みた。まず、SIV LTRプロモーター領域を標的とした数種のsiRNAを作成し、SIV-HIVキメラウイルス(SHIV)感染細胞株に導入した。その後のウイルス増殖をRT assay,及びリアルタイムPCR法により定量した。結果、すべてのsiRNAによりウイルスの増殖は抑制され、中でも、NF-kB結合領域に設計したsiRNAが最も高い抑制効果を示した。そこで、細胞内での持続的なsiRNA発現による長期的なウイルス遺伝子発現抑制効果の検討を目的とし、上記siRNA配列についてのヘアピン型dsRNA発現レトロウイルスベクターを作成し、血球細胞株におけるstable発現細胞を確立した。結果、それら細胞でのウィルスの増殖が6ケ月以上抑制された。さらに、siRNAによるウイルス遺伝子発現制御機構の解析を目的とし、抑制状態にあるプロウイルスDNA上のヒストン化学修飾状況、及びRNA Pol IIの結合の有無をChIP法にて、DNAメチル化状態をBisulfite PCR法にて解析した。その結果、ヒストン化学修飾状況はアセチル化H3K9が低くトリメチル化H3K9が高いという転写抑制型のパターンを示し、RNA Pol IIの結合は抑制されていた。一方、DNAのメチル化はほとんど見られなかった。以上の結果は、今回作成したsiRNAがサルモデル系におけるウイルス抑制効果の実験に有効であることを示すと同時に、その抑制の鍵となる機構の解明に繋がるものと期待される。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Small intestinal CD4+ T-cells are profoundly depleted during acute infection of simian-human immunodeficiency virus regar dless of its pathogenicity2008
Author(s)
Fukazawa Y, Miyake A, Ibuki K, Inaba K, Saito N, Motohara M, Horiuchi R, Himeno A, Matsuda K, Matsuyama M, Takahashi H, Hayami M, Igarashi T, and Miura T
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Journal Title
Journal of Virology (Epub ah-ead of pri-nt)(印刷中)(掲載確定)
Peer Reviewed
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