2008 Fiscal Year Annual Research Report
マウスCタイプレクチンSIGNRファミリーの発現及び機能解析
Project/Area Number |
07J08624
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長岡 孝治 Kyoto University, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Cタイプレクチン / 単球 / マクロファージ / Toll like receptor / モノクローナル抗体 / Candida albicans / 炎症 |
Research Abstract |
SIGNR1はザイモザンやC.albicansを認識することがこれまでの研究で明らかになっている。そこで、SIGNR1のこれらに対する認識が細胞応答にいかなる影響を与えるのかを検討するため、SIGNR1発現RAW細胞(SIGNR1-RAW)を用いて、TNF-α産生を測定した。その結果、TNF-α産生がSIGNR1を発現しない親株に比べて昂進していることが確認された。また、SIGNR1-RAWおよび腹腔内常在性マクロファージをあらかじめ抗SIGNR1抗体で処理しておくと、TNF-αの産生亢進が認められなくなった。またさらに、ザイモザンを熱アルカリ処理しておいた場合や、刺激時に抗TLR2抗体を添加することにより、TNF-α産生は大きく減弱したことから、細胞の活性化によるTNF-α産生にはTLR2を介する刺激が必要であることが示された。そこで、SIGNR1とTLR2を強発現する細胞を作成して免疫沈降を行なったところ、互いの会合が認められた。以上の結果から、SIGNR1によって認識されたザイモザンやC.albicansからの細胞への刺激は、TLR2を介して細胞内へと伝達されることが明らかとなった。 SIGNR3についてはこれまでに作製した抗体を用いて、Ly6C^<low>単球などに発現していることを示している。単球は炎症時にも重要な役割を果たすことが知られているので、炎症時に誘導されてくる細胞についてSIGNR3の発現を経時的に検討した。腹腔に無菌炎症を誘導したところ、6-12時間で局所に誘導されてくるのはCD115^-SIGNR3^-CD11b^+の表現型を示す未熟なミエロイド系細胞であるが、それらにおいてCD115の発現が認められるようになった後、24-48時間で一過的にSIGNR3の発現の上昇が認められた。一方、血液中においてはCD115^-SIGNR3^-CD11b^+の表現型の細胞は6時間後のみで存在が確認されたが、骨髄中にはこれに相当する細胞の増加は認められなかった。したがって、炎症応答が誘導されると骨髄中から未熟なミエロイド系細胞は血行性に速やかに局所へ誘導され、単球からマクロファージへと分化すると推測される。
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Research Products
(1 results)