2007 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍診断のための顕微ラマンイメージング分光法の装置開発と性能評価
Project/Area Number |
07J08645
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
大嶋 佑介 Aoyama Gakuin University, 理工学研究科, 特別研究員(DCI)
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Keywords | ラマン分光 / ラマンイメージ / 顕微ラマン / がん診断 / リアルタイム / 培養細胞 / 組織 / ラット |
Research Abstract |
本研究は無背景放射・電子制御波長可変チタンサファイアレーザー(以下BF-ETL)を光源に用いた顕微ラマンイメージングシステムの開発および生体試料を用いて正常組織と腫瘍組織の識別を可能とする新しい診断方法の開発を目的としている。将来的にはがんをはじめとする疾病の迅速病理診断への応用を目指して研究を展開していく。 本年度は、BF-ETL、高感度イメージCCD検出器、カメラレンズおよびバンドパスフィルタから構成されたプロトタイプシステムを試作した。わずか0.5秒の測定で肉眼では見ることができない化学組成をラマンイメージによって可視化することに成功し、プロトタイプによる原理実証と検出系の性能評価の結果をもとに、顕微ラマンイメージングシステムのハードウェアを構築した。次年度はハードウェアの改良を行いながら、それと同時に正常と腫瘍を識別するための統計解析プログラム(ソフトウェア)を構築していく。 従来装置を用いたデータ蓄積と解析法の検討においては、培養細胞のラマンスペクトルを測定し、主成分分析による細胞株の分類に成功した。また、パレット食道がんモデルラットの組織切片のラマンスペクトルを測定し、病変部と正常部でラマンスペクトルの変化を確認した。組織学的データと比較しながら悪性度や腫瘍の有無を見分ける指紋領域を特定することが今後の課題である。また、組織に固定処理を施した場合のラマンスペクトル測定に関して実験を行った。測定結果をもとに、今後は病理学的診断法や遺伝子診断法との比較や融合の可能性についても検証していく。
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Research Products
(4 results)