2008 Fiscal Year Annual Research Report
三角形障壁をもつアハロノフ・ボーム量子ドット:量子整流のひとつの可能性
Project/Area Number |
07J08667
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増田 俊平 Kyoto University, 情報学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ナノデバイス / 量子整流 / 早送り問題 |
Research Abstract |
・リカージョングリーン関数を用いてスピン軌道相互作用さらにドットに垂直に一様磁場がある場合、スピン偏向した電流を注入したさいのドットの対称性の整流効果への影響を解析した。 ・ドットの幾何学的な対称性とS-matrixの対称性やラチェット効果との関係をスピン軌道相互作用や磁場がある場合などについて半古典論や散乱理論から考察して、全般的にまとめた。 ・ドットに垂直な方向に偏極したスピン注入だけでなく、平行な方向に偏極したものについても整流効果が得られることを数値的にも確かめた。 ・離散化したネットワークのモデルでもスピン軌道相互作用が整流効果を生むことを数値計算で確かめた。 ・波動関数の付加的な位相を導入し、波動関数の時間発展を加速するためのポテンシャルを系統的に求める方法を明らかにした。さらにadiabatic dynamicsにこの理論を適用することに成功した。これはボーズ・アインシュタイン凝縮体の状態を乱すことのない瞬間的な輸送を可能にするなど、量子状態の制御やナノデバイスの作成などに幅広い応用が期待される理論である。またこの理論は磁場がある系にも適用可能であり、磁場がある系のadiabatic dynamicsの加速にも拡張することができる。
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Research Products
(3 results)