2008 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性疾患患者家族の心理的ストレスとその関連要因に関する研究
Project/Area Number |
07J08686
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
安藤 記子 Kitasato University, 大学院・医療系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 遺伝カウンセリング / 遺伝性疾患 / 言葉の印象 / 変異 / 乳がん / 心理的ストレス / 家族歴 / 特性不安 |
Research Abstract |
(課題1遺伝性疾患患者家族が抱く遺伝医療で用いられる言葉に対する印象と知識量が言葉の印象に与える影響)〜遺伝医療の場で遺伝性疾患説明の際に使用される言葉について、小児科遺伝外来患者の家族がどのような印象を抱いているかについて調べ、"遺伝子突然変異"に関する知識量との関連性について検討した。結果は昨年度の報告の通りである。本年度は、研究成果を27th NSGC-AEC(米国)にて発表し、J Genet Counselに論文投稿中である。 (課題2遺伝性疾患患者の心理的ストレスとその関連要因に関する研究)〜北里大学病院外科乳腺外来を初診にて受診した患者を対象に、特性不安、否定的感情抑制の程度、ライフストレス経験、乳癌家族歴の有無、乳腺自覚症状の有無が、初診時の患者の気分状態に与える影響について検討した。最終的に154名を対象として検討した結果、特性不安が高く、感情を抑制し、ライフストレス経験が多く、自覚症状がある人ほど初診時の気分状態は良好ではないことがわかった。特に特性不安が気分状態に与える影響は大きく、心理的援助の重要性が示唆された。研究結果は、第21回日本サイコオンコロジー学会学術集会、31st SABCS(米国)にて発表を行った。また、Support Care Cancerに受理されている。 さらに、乳腺外来初診患者における遺伝に関する意識に関する検討を行ったところ、面接調査において、遺伝に関する意識は233名中39名(16.7%)によって自発的に語られた。そのうち、乳癌家族歴のある患者は16名、ない患者は23名であり、遺伝に関する意識は乳癌の家族歴に関係なく表出された。また、遺伝に関する意識を自発的に語った患者は、家族歴が癌罹患のリスク因子であることを認識していることがわかった。本研究の成果は、日本人類遺伝学会第53回大会、日本心理学会第72回大会にて発表を行った。
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Research Products
(6 results)