2007 Fiscal Year Annual Research Report
SEma6D-Plexin-A1相互作用の樹状細胞移動制御機構に関する研究
Project/Area Number |
07J08687
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高松 漂太 Osaka University, 微生物病研究所, 特別研究員(PD)
|
Keywords | セマフォリン / plexin-A1 / 樹状細胞 / transmigration / leukocyte trafficking / Imaging |
Research Abstract |
本研究はSema6D-Plexin-Al相互作用による樹状細胞の移動制御機構の解明を目的としている。本年度はplexin-Al欠損樹状細胞を用いたin vivo traffickingの解析を中心に行った。はじめに、plexin-Al欠損樹状細胞を蛍光標識してマウスのfootpadに移入すると、所属リンパ節に遊走してくる樹状細胞の数が、plexin-Al欠損樹状細胞で減少しているとの知見を見出した。また、内因性の樹状細胞の移動を評価する実験系であるFITC skin paintingにおいても、plexin-Al欠損樹状細胞は所属リンパ節への移動が障害されていた。以上より、plexin-Al欠損樹状細胞はin vivoにおいて末梢組織から所属リンパ節への移動が障害されていることが明らかとなった。次に、末梢組織から所属リンパ節へ樹状細胞が移動する過程に着目し更なる検討を行った。Plexin-Al欠損樹状細胞は抗原の取り込み能及びケモカインに対する方向感知能や反応性に障害は認めなかった。また、組織樹状細胞の末梢微小リンパ管への集積も野生型に対し有意な差は認めなかった。しかし、樹状細胞と内皮細胞の相互作用をtime lapseイメージング及び共焦点レーザー顕微鏡により観察したところ、plexin-Al欠損樹状細胞は内皮細胞の細胞間隙をtransmigration出来ないことを見出した。更に樹状細胞と内皮細胞の接着面において認められるF-actinの集積が、plexin-Al欠損樹状細胞ではあまり認められないことが分かった。 本年度の研究により、樹状細胞移動に際し、樹状細胞がリンパ管内皮細胞をtransmigrationする過程にセマフォリンシグナルが重要な役割を担っていることを明らかにし、セマフォリンによる免疫細胞移動制御という新たな機能を見出した。
|