2007 Fiscal Year Annual Research Report
共役高分子ナノ結晶の可視光応答型光触媒能を利用した金属ナノシェル複合体の作製制御
Project/Area Number |
07J08741
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野寺 恒信 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 有機ナノ結晶 / 光触媒 / 有機・無機ハイブリッド / コア / シェル / 表面プラズモン |
Research Abstract |
本研究課題では、光触媒還元法を確立し、新規な有機・無機ハイブリッドナノ構造を創製するとともに、有機・無機双方の特性を相乗的に活かした物性・機能を探求する。初年度は、知見が乏しい有機化合物の光触媒能を調査しつつ、有機・高分子ナノ結晶をコアとする金属ナノシェル複合体の創製を目指した。 1.光触媒還元法の制御因子の解明と基盤技術の確立 標準物質としてポリジアセチレンナノ結晶をコアに、金属ナノシェル複合体の作製を行った。特に、金属錯イオンの配位子交換により酸化還元電位を制御することが重要で、銀、白金またはパラジウムのナノシェルを作製できた。また、光触媒還元反応の励起波長依存性を調査したところ、コア結晶の光電流特性に従うことを確認し、コアのバンド構造並びに金属錯イオンの酸化還元電位の両面から制御因子を明らかに出来た。また、金属種によるシェルの凹凸の違いは、金属の仕事関数を考慮した反応メカニズムで解釈でき、今後シェルの平坦化を目指す。 2.金属ナノシェル複合体の作製制御 1の知見を基に、ポリチオフェンナノ粒子をコアとする白金ナノシェル複合体の作製に成功し、コア材料を拡張した。さらに、光触媒還元を施した後に無電解メッキを行うことでシェル厚の制御をも達成した。一方、光触媒還元法では原理的に作製が困難な場合には、無電解メッキを改良することで、例えば、フタロシアニンナノ粒子の金もしくは白金ナノシェル複合体の作製にも成功した。 以上のように、光触媒還元法の制御因子を解明し、新規な有機・無機ハイブリッドナノ構造を創製するという目標を達成できた。さらに予定を前倒しして、スペクトルシミュレーションとの比較による理論的解釈、構造解析、物性評価に向けた集積化・固定化技術の確立に着手しており、本研究の成果は非線形光学材料・触媒・メタマテリアルなどの作製に寄与すると期待している。
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Research Products
(15 results)